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- 甲状腺疾患
甲状腺疾患は機能異常によるものと腫瘍性病変があります。腫瘍の場合でも自覚症状がなく健診などで指摘され発見されることが多いです。血液検査やエコーなどで診断を行います。
甲状腺は頸部の正中、のどぼとけより下で気管の前面に蝶のような形をした臓器です。甲状腺ホルモンを作っており、エネルギー代謝に関係するホルモンです。体の新陳代謝を正常に保ち、活動するために必要なエネルギーを作ります。甲状腺ホルモンが少なくても多くても体調が悪くなります。血液検査やエコー検査などで診断します。
以下のような疾患があります。
1.甲状腺の機能障害
甲状腺機能低下をきたすもので多いのが橋本病です。この場合、甲状腺ホルモンを補充します(薬物療法)。一方、甲状腺機能が亢進する病気で代表的なものが「バセドウ病」です。多くは薬物療法となりますが、手術加療、放射線治療となることもあります。通常、どちらの疾患も甲状腺が全体に腫れてくることが多いです。
2.甲状腺腫瘍
良性、悪性腫瘍があります。
最近は無症状でも健康診断で指摘されることが多いですが、ご自身で前頸部に気になる症状があれば早めに医療機関を受診することが大切です。
良性、悪性の判別に細胞診検査が用いられますが、良性であれば通常は経過観察となります。ただし短期間で大きくなってくるものや大きな腫瘍は手術加療となることがあります。エコー、血液検査などの経過観察が必要となります。
悪性の場合もゆっくり大きくなってくるものが多く、急激な変化をみとめることはあまりありませんが、進行すると声がかすれたり、頸部のリンパ節がはれてくることがあります。治療は手術加療となります。
3.甲状腺に炎症がおこるもの
亜急性甲状腺炎などです。甲状腺に一致した部位に疼痛や発熱など炎症所見を伴います。鎮痛剤などで経過を見ますが、炎症程度が強い場合はステロイドを投与することがあります。一過性に甲状腺機能が亢進することがあり、徐々に低下していきます。しばらくすると逆に甲状腺機能が低下することがあります。